sora’s おいしいノート

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国際宇宙ステーション(ISS)の内部をバーチャル探検してみました

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先日、GoogleのArts & Cultureを見ていたら、国際宇宙ステーション(International Space Station : 以下、ISS)のバーチャルツアーを見つけました。

以前からISSの内部がGoogleのストリートビューで見られることは知っていましたが、ちゃんと探検したことがなかったので、今回色々調べながら楽しんでみました。

ISSとは

ISSは、世界の5つの宇宙機関が協力して開発・運用している有人人工衛星で、高度約400kmの低地球軌道を1周約93分で回っています。

5つの宇宙機関と主な担当は以下の通りです。

宇宙機関 担当
NASA 米国 全体調整、実験モジュール、電力供給など
ROSCOSMOS ロシア 実験モジュール、居住モジュール、緊急帰還機など
ESA 欧州 実験モジュールなど
JAXA 日本 実験モジュール、補給機など
CSA カナダ ロボットアームなど

ご存じの通り、ISSにおける日本の担当としては、日本実験棟の「きぼう」と宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)を提供しています。

ISSの居住空間の大まかな構造

ISSは大きく2つのセクションに分かれています。ひとつはロシアが運営するロシア軌道セグメント、もうひとつは複数の国で運営されている米国軌道セグメントです。

ストリートビューで見ることができたISS内部の居住空間(加圧エリア)の構造を簡単に書いてみました。(細かい部分は省略)

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上図はISSを上から地球方向に見たときの各モジュールの配置を表しています。上下に配置されているモジュールは斜め横に書いてあります。進行方向は下になります。

ISSはこれらのモジュールを中心に、太陽光パネルや放熱器、ロボットアームなどの多くのモジュールがつながっていて、全体ではサッカーのフィールドくらいの大きさになります。

Googleストリートビューで見るISS内部

International Space Station内部のGoogleストリートビューは色々な表示方法があるようですが、注釈付きで表示されるストリートビューのリンクを貼っておきます。

goo.gl

いつものGoogleストリートビューと同じような操作ですが、天井にも床にも物が一杯あって、まさに無重力状態のように方向感覚がおかしくなりそうですが、「ここはどこ?」状態にならないように注意しましょう。

それでは進行方向で後方、ロシア側から見ていきます。

ロシア軌道セグメント側

一旦端まで進んで突き当たったところの周りの壁が黄色っぽければロシア軌道セグメント側のサービスモジュール(ズヴェズダ)です。突き当たりにはドッキングポートがあります。

ロシア側で食事をするときは、サービスモジュールにあるテーブルの周りに集まるようです。右舷にはトイレがあり、ドアが開いていますね。また、左右には個室の寝室がありますが、どちらもドアがしまっていて中の様子は分かりません。

サービスモジュールにはエアロック(ピアーズ)小型研究モジュール(ポイスク)がつながり、それぞれにドッキングポートがあります。

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サービスモジュールを進行方向(米国側)に進むと、FGB(ザーリャ)があります。

FGBは基本機能モジュールとも呼ばれ、ISSの最初のコンポーネントとして1998年に打ち上げられ、初期段階で電力や推進力を提供しましたが、現在は燃料などの保管のために使われているようです。

FGBの床(地球側)には小型研究モジュール(ラズヴェット)がつながっていて、その先にもドッキングポートがあります。

FGBの先は米国軌道セグメントです。

米国軌道セグメント側

米国軌道セグメントに入って最初にあるのがノード1(ユニティ)です。米国側で食事を取る場合は、ノード1のテーブルの周りに集まるようです。

ノード1の床にはドッキングポートがあり、このビューを撮影した時点ではシグナス輸送機がつながっていたようです。

ノード1の右舷にはエアロック(クエスト)がつながっています。ここのエアロックにはEVA(船外活動)用の宇宙服が置いてありますね。

ノード1の左舷には、ノード3(トランクイリティ)がつながっています。ノード3にはトイレがあり、ドアが開いていますね。また観測モジュール(キューポラ)が床(地球側)に付いており、地球の様子を眺めることができます。

さらにノード3には倉庫として使われているPMM(レオナルド)がつなかっています。

***

ノード1に戻って進行方向に行くと米国実験棟(ディスティニー)があり、更に先にあるのがノード2(ハーモニー)です。

ノード2には個室の寝室が4つあります。左右と天井、床にドアが見えると思いますが、床側のドアだけが開いているので中が少し見えますね。

突き当たりと天井、床にはドッキングポートがあります。このビューを撮影した時点では床のドッキングポートにはドラゴン輸送機がつながっていたようです。

ちなみに先日打ち上げたクルードラゴン宇宙船は、この突き当たりのドッキングポートに、日本のHTV輸送機(こうのとり9号)は、床(地球側)のドッキングポートにつながりました。

ノード2の右舷には欧州実験棟(コロンバス)、左舷には日本実験棟(きぼう)がつながっています。

日本実験棟「きぼう」は一番新しいモジュールなので、明るくてあまりゴチャゴチャしていない印象ですね。

まとめ

日本人宇宙飛行士がISSに行ったときなど、ISSからの中継で内部の様子を見たことはありましたが、結構ゴチャゴチャしていて、ISSの全体がどうなっているのかは分かりにくかったと思います。

このGoogleストリートビューで船内を探検していると、だんだんISSの居住空間の様子が分かってくるようになります。

今年は野口聡一さんがISSに行く予定なので、またISSからの中継放送があると思います。それまでにISSの内部を理解しておくと、また違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。

なおこの記事で書いた説明は、2020年6月時点で公開されているビューでのものです。将来ビューが更新されるかも知れませんのでご了解下さい。


(参考リンク)

国際宇宙ステーション(ISS)|JAXA

International Space Station|NASA