今年の節分は2月2日ですよね。節分が2月3日ではないのは、2月4日だった1984年から37年振り、2月2日になるのは1897年から実に124年振りのことということで、結構話題になっています。
筆者はなんとなく分かっていたものの、人に説明できるほどちゃんと理解していなかったので、そうなる理由について改めて調べてみました。
そもそも節分とは
節分とは、立春の日の前日のことを言います。元々は季節の分かれ目として、二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬の前日を節分と呼んでいましたが、今は2月の節分だけが生き残っています。
季節の変わり目には邪気が生じると考えられていたため、邪気を追い払うための豆撒きの行事が行われています。
また関西地方を中心に、恵方(後述)を向いて太巻き寿司を丸かぶりする「恵方巻」の風習があり、コンビニやスーパーなどが仕掛けたキャンペーンのおかげで近年全国的に広まっています。
二十四節気の決め方と立春の日時推移
地球上の季節は、地球の自転軸の向きと太陽の位置関係によって決まります。
季節のめぐりを表す二十四節気は、1太陽年を太陽の黄道上の位置によって24等分して、それぞれに季節を表す名前を付けたものが使われています。(定気法といいます)
1太陽年は、地球から見て太陽が黄道上の同じ位置に来るまでの周期で、約365.242189日です。
すなわち、1年を365日とすると、毎年約0.242189日=5.812536時間ずつ誤差が生じていきます。(二十四節気の日時が毎年6時間弱遅れる)
そして4年毎の閏年で24時間の補正が入ると、逆に(5.812536x4-24=)0.749856時間戻しすぎる結果になります。(4年前より二十四節気の日時が少し早まる)
この繰り返しで、4年単位で二十四節気の日時が徐々に早まっていくことになります。
実際には地球が太陽の周りを楕円軌道で廻っており、また月や他の惑星の引力、地球の自転軸の振れ(歳差)の影響を受けるため、毎年の二十四節気の日時は複雑な計算のもとに国立天文台が発表しています。
最近の立春の日時を国立天文台の暦象年表から拾ってみると、
年 | 閏年 | 立春の日時 |
---|---|---|
2021年 | 2月3日 23:59 | |
2020年 | 閏年 | 2月4日 18:03 |
2019年 | 2月4日 12:14 | |
2018年 | 2月4日 06:28 | |
2017年 | 2月4日 00:34 | |
2016年 | 閏年 | 2月4日 18:46 |
2015年 | 2月4日 12:58 | |
2014年 | 2月4日 07:03 | |
2013年 | 2月4日 01:13 | |
2012年 | 閏年 | 2月4日 19:22 |
2011年 | 2月4日 13:33 | |
2010年 | 2月4日 07:48 | |
2009年 | 2月4日 01:50 |
となり、閏年の翌年の今年、ついに立春が日にちを跨いでしまったことが分かります。
つまり今後しばらく、閏年の翌年の立春は2月3日、節分は2月2日となり、やがて閏年の翌年以外も日付がずれていくことになります。
しかし現在使われているグレゴリオ暦では、100で割り切れて400で割り切れない年は平年と定められており、2100年は閏年ではないため24時間の補正が入らず、そこでまた立春は2月3日、節分は2月2日の日程に戻ると思われます。
引用:立春の推移(予測を含む)/国立天文台
上記立春の推移グラフを見ると、1897年の立春が2月3日になった後、1900年が閏年ではなかったため24時間の補正が入らず、1902年以降の立春は2月5日の年が多くなっていたことが分かります。
恵方とは
関西を中心に、節分の日に恵方に向かって太巻きを無言で食べると縁起が良い、とされている恵方巻の風習です。
この「恵方」とは、陰陽道でいうところの、その年の福徳を司る神である「歳徳神(としとくじん)」がいる方位のことです。その年の十干により以下のように決められており、24方位の甲、庚、丙、壬のどれかになります。
十干 | 西暦下1桁 | 恵方(方位角:16方位) |
---|---|---|
甲(きのえ) | 4 | 甲(75度:東北東やや東) |
乙(きのと) | 5 | 庚(255度:西南西やや西) |
丙(ひのえ) | 6 | 丙(165度:南南東やや南) |
丁(ひのと) | 7 | 壬(345度:北北西やや北) |
戊(つちのえ) | 8 | 丙(165度:南南東やや南) |
己(つちのと) | 9 | 甲(75度:東北東やや東) |
庚(かのえ) | 0 | 庚(255度:西南西やや西) |
辛(かのと) | 1 | 丙(165度:南南東やや南) |
壬(みずのえ) | 2 | 壬(345度:北北西やや北) |
癸(みずのと) | 3 | 丙(165度:南南東やや南) |
2021年の十干は辛なので、恵方は丙、つまり方位角165度(南南東やや南)です。
ちなみにiPhoneのコンパスアプリで方位を調べるには、方位角の方が便利です。
まとめ
蛇足ですが、二十四節気がらみで…
春分の日と秋分の日は国民の祝日ですが、「国民の祝日に関する法律」によると「春分日」「秋分日」と記載されていて、具体的な日付は定義されていません。
春分の日 春分日 自然をたたえ、生物をいつくしむ。
秋分の日 秋分日 祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ。
国民の祝日に関する法律(e-Gov)
具体的な日付については、前年の2月1日に国立天文台が作成した「歴要項」を官報に掲載することで正式決定となるようです。
以上、節分の日の決め方などについて調べた結果でした。

さてと、今年の恵方巻はどうしようかな…