sora’s おいしいノート

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真梨幸子さんの小説「縄紋」を読んで七夕にベテルギウスを見る

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真梨幸子さんの小説「縄紋」を読みました。

いつもは小説はKindleで読む(老眼なもので…)のですが、買おうと思った時点ではまだ出ていなかったので、久し振りに紙の本を買いました。既に電子書籍版も発行されています。


筆者は日本の先史時代、特に縄文時代が好きです。その辺の話は以前記事に書いたので、ここでは繰り返さないことにします。

uwano-sora.com

宇宙が好きで、縄文時代が好きで、要するに自分の存在する時空間が嫌い、現実逃避ってことでしょうか…

それはさておき。

真梨幸子さんの「縄紋」です。

「縄文」?「縄紋」?

縄文時代の「縄文」は、大森貝塚を発見したエドワード・シルベスター・モース博士が、出土した土器を「cord marked pottery」と表現したことに由来します。

当初は原義通り「縄紋」と表記していたようですが、漢字簡略化の流れもあり、次第に「縄文」という表記が一般化されていったようです。

この「縄紋」から「縄文」への転換の経緯については、詳しく調査した文献もあり、今でも「縄紋」という表記に拘る学者もいるようですが、確かに「文」より「紋」の方が相応しいような気もしますね。

さて、この小説のタイトルは「縄紋」となっていますが、これについて作者は多くを語っていません。

もしかしたら作者は最終的にカットしたのかも知れませんが、ステレオタイプな縄文時代とは違う、真実の(あるいは別の…)先史時代を描くという意味があったのかも知れません。

不思議な小説

この小説は、荻原浩さんの「二千七百の夏と冬」のように、ロマン溢れる縄文時代の話を中心に据えた作品ではありません。

この小説は、とても不思議な小説です。

話の背景は現代の東京で、二つの殺人事件が絡んでいるのですが、普通の推理小説ではありません。

作中に出てくる不思議な小説の謎解きが中心、と言ったらいいでしょうか。あるいはオカルト小説?いや、もしかしたらSF小説かな?

何を書いてもネタバレになりそうなので、ひとつ筆者が印象に残ったことについて書きます。

それは、小説の終盤で重要な意味を持つ、ベテルギウスについてです。

ベテルギウスについて

ベテルギウスというのは、オリオン座のα(アルファ)星で、全天で21ある一等星のうちのひとつ、オリオンの左側の肩に輝く赤い星ですね。

α星というのはその星座で一番明るい星を指しますが、例外もあります。

現にオリオン座ではβ(ベータ)星のリゲルの方がベテルギウスより明るいのですが、これはベテルギウスが明るさの変わる変光星であるためで、α星を定めた時代にはベテルギウスの方が明るかったようです。

ベテルギウスは恒星としては赤色超巨星に分類され、おそらく10万年以内には超新星爆発を起こして一生を終えると言われています。

ところが2019年の末頃から、ベテルギウスが大きく減光し始め、2020年の2月頃には二等星クラスの明るさになりました。

このことから、いよいよ超新星爆発が差し迫っているのではないかと大騒ぎになりました。

しかし、現時点では元の明るさに戻っており、恒星内部の変化ではなく、表面的な現象だった可能性が高まっています。

https://news.yahoo.com/betelgeuse-nearby-supergiant-stars-dimming-141102941.htmlnews.yahoo.com

ただ、いつ超新星爆発を起こしてもおかしくない状況は変わっていないので、引き続き注目です。

もし超新星爆発が起こったら、満月とはいかないまでもかなり明るく輝くことになるので、必見です!

下のリンク先はかなり昔の米国Yahoo!newsの記事ですが、よくできた動画なので貼っておきます。なおこの動画は元々日本向けに作られたもののようで、YouTubeで「ベテルギウスの最後」で検索すると日本語版が見つかると思います。

www.yahoo.com

まとめ

ということで、最後はベテルギウスの話になってしまいました。

今日は七夕ですが、雨が続いているので星空は拝めそうもありませんね。

分厚い雲の向こう側には、いつもと同じ星空が広がっているはずですが…

言い忘れましたが、「縄紋」面白かったです。

まとめになっていませんが、いつもながらの脱線失礼しました。