sora’s 早起きノート

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次のソユーズにも米国宇宙飛行士の搭乗が決定!米露宇宙協力は維持?

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米国NASAは3月10日、ISS滞在者のローテーションに向けて4月に打ち上げられるロシアのソユーズに、NASAの宇宙飛行士を搭乗させる契約をAXIOM SPACEと締結したことを発表しました。

www.nasa.gov

NASAはスペースシャトルの運用終了以降の9年間、ISSとの往復のためにソユーズの席を契約していましたが、昨年SpaceXによる有人商用宇宙船の運用が始まり、NASAが契約していたソユーズの席の利用は、ケイト・ルービンス宇宙飛行士が最後とされていました。

今回の契約は金銭を伴うものではなく、代わりに将来のNASAの商用宇宙船の座席をロシアに提供するというもののようです。これにより、乗務員や宇宙船・宇宙ステーションに緊急事態が発生した場合のバックアップ機能を確保できることになります。

現在、ISS(国際宇宙ステーション)には、ロシアのソユーズで到着したセルゲイ・リジコフ(露)、セルゲイ・クド・スベルチコフ(露)、ケイト・ルービンス(米)の3名と、SpaceXのクルードラゴンで到着したマイケル・ホプキンス(米)、ビクター・クローバー(米)、野口聡一(日)、シャノン・ウォーカー(米)の4名が滞在しています。

契約はAXIOM SPACEと締結

NASAは、低軌道での宇宙活動に関する運用を民間会社に外注していく計画で、今回の契約はテキサス州に本社があるAXIOM SPACEとの締結だということです。

AXIOM SPACEは、国際宇宙ステーションに関するミッションプロバイダーとしてSpaceXやBoeingと協力し、ミッション計画・運用・管理、ハードウェア開発・認証、乗組員の訓練などを担っていきます。

来年予定されているトム・クルーズのISSでの撮影ミッションも、多分AXIOM SPACEが仕切ることになるんですね。

また、AXIOM SPACEは2024年を目標にISSに接続する新たな居住モジュールを打ち上げ、いずれはISSから切り離して独自の商用宇宙ステーションとして運用させる計画のようです。

打ち上げ1ヶ月前というギリギリのタイミング

あらためてソユーズに米国宇宙飛行士の席を確保する契約については、もちろん以前から準備されていたことだと思いますが、搭乗の1ヶ月前というタイミングでの発表となりました。

現在のISS滞在者のうち、ソユーズ組の3名は4月に、クルードラゴン組の4名は5月上旬までに帰還する予定です。交換要員は、4月9日にソユーズ、4月22日までにクルードラゴン(星出彰彦さん搭乗)がそれぞれ打ち上げられる予定です。

元々3月下旬の予定だったクルードラゴンの打ち上げが更に延期になったりすれば、米国の宇宙飛行士がISSに不在となる可能性もあります。

筆者は宇宙開発における米国とロシアの協力関係は続けて欲しいと考えているので、このタイミングでの発表は、政権交代(NASAの長官も辞任)の影響もあるのかも知れませんが、ちょっと気になりました。

ロシアに接近する中国

一方で、ロシアと中国が協力して、月に科学研究ステーションを構築する計画を発表したというニュースがありました。

news.yahoo.com

月の科学研究ステーションは、月面基地と軌道上の宇宙ステーションの複合体らしく、米国のアルテミス計画と正面からぶつかるプロジェクトになりそうです。

ロシアは米国主導のアルテミス計画にまだ合意していません。明確な拒否もしていないようですが、やがてISSでの米露協力関係が終了すると、宇宙空間における米国対中露の冷戦が加速しそうな雰囲気が…

日本はアルテミス計画への協力を約束していますが、科学技術の発展のためには複数のアプローチや開発競争も必要です。

現在米国と対立している中国を孤立させることが地球の将来にとって望ましいとも思えないので、中露協力関係の進展は悪いニュースではないのかも知れません。

いずれにしろ宇宙開発に於いても、健全な形での開発競争を期待したいと思います。