先週NASAは、月に関するエキサイティングな新発見について月曜日に発表すると事前アナウンスしていました。
そして月曜日(日本時間の火曜日)に発表されたのは月面上の水についての発見でした。
何やら勿体ぶった発表の仕方でしたが、それだけNASAにとって重要な発見だという認識なんでしょうね。
月の水資源の意味とは
月は重力が地球の約6分の1と少なく、大気もほとんどないため、地表の水は蒸発すると宇宙へ飛んでいって失われてしまいます。従って現在の月はカラカラに乾燥した地表で覆われています。
但し、蒸発せずに氷の状態で月面に残されている水が存在するだろうとも言われています。
実際に月の北極と南極にある、恒久的に太陽が当たらない部分に氷が存在していることが、既に確認されています。
従って、将来の月面基地については、その設置場所を極地にすることも検討されていました。
なんといっても人間にとって水は生きていく上で欠かせないものですし、地球から運ぶのはとてもコストが掛かるので、現地調達できることは重要です。
また、水は酸素と水素に分解して液化すればロケット燃料になります。つまり、月をベースとして火星などの深宇宙探索に向かうときの燃料補給用途としても、月の水資源はとても重要な意味を持ちます。
人にとってもロケットにとっても、水は重要な存在なのね。
NASAが発表した月面上の水についての発見とは
今回NASAは、月面上の太陽が照らしている地域において水分子(H2O)を検知したと発表しました。
これは、月面の水が極地の太陽が当たらない場所に限定されず、月面全体に分布している可能性があることを示しています。
但し、今回発見された水が、どのように貯蔵され、蓄積されているのかは不明です。従って資源として利用できるものかどうかもまだ分かりません。
ちなみに今回の発見は、NASAの空飛ぶ天文台「SOFIA」の観測により示されました。
ボーイング747を改造した空飛ぶ天文台「SOFIA」
空飛ぶ天文台「SOFIA」とは、NASAとDLR(ドイツ航空宇宙センター)が共同開発した成層圏赤外線天文台(Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy : SOFIA)のことです。
SOFIAは、ボーイング747(愛称:ジャンボジェット)の中古機体を改造し、直径2.5mの赤外線反射望遠鏡を搭載しており、機体後部側面のドアを開けて観測することができます。
赤外線を吸収する大気を避けて成層圏まで上昇することで、地上では不可能なレベルの赤外線観測を可能にしたもので、SOFIAに搭載されている望遠鏡は、飛行機に搭載した望遠鏡では最大ということです。
まとめ
NASAはアルテミス計画の中で、2024年に再び人類を(そして初めての女性を)月面に送り込む予定です。そして月面で人類の存在を持続的に確保した後、次のステップとして有人火星探査に向かう予定です。
そのためには、月面での水資源の確保は重要課題のひとつなので、今回の発見は重要な一歩ということになります。
そう言えば、2021年春には13年振りに日本人宇宙飛行士の募集がJAXAで予定されています。今回の募集はアルテミス計画を見据えたものですので、月に行けるチャンスです!
※ところで、いつも読んで下さる方はお気づきかと思いますが、初めて「吹き出し」を使ってみました。ちょっと気に入ったので、邪魔にならない範囲でしばらく使ってみるつもりです・・・