いよいよ本日(2021年4月23日)、日本時間の18時49分に、JAXAの星出彰彦宇宙飛行士を含むCrew-2ミッションの4名が搭乗するSpaceX Crew Dragonが、NASAのケネディ宇宙センターから打ち上げられる予定です。
本来は昨日の打ち上げが予定されていましたが、大西洋の悪天候により1日延期されています。
Crew-2ミッションクルー
今回打ち上げられるCrew-2ミッションのクルーは以下の4名です。国際パートナーのクルー2名を含むミッションは、NASAとしては初めてとなります。
Excited to take a little trip to space with this amazing crew! @Astro_Megan @Thom_astro @Aki_Hoshide #nasa #spacex #crewdragon #iss #spacestation pic.twitter.com/u3zxTZgeDU
— Shane Kimbrough (@astro_kimbrough) February 10, 2021
シェーン・キンブロー
シェーン・キンブロー(Shane Kimbrough)さんはNASAの宇宙飛行士。Crew-2宇宙船の船長(Commander)を務める。
1967年米国テキサス州生まれ。2008年にスペースシャトル「エンデバー」に搭乗し16日間のミッションに参加。2016年にソユーズに搭乗しISSに173日間滞在。
メーガン・マッカーサー
メーガン・マッカーサー(Megan McArthur)さんはNASAの宇宙飛行士。
1971年米国ハワイ州生まれ。2009年にスペースシャトル「アトランティス」に搭乗し12日間のハッブル宇宙望遠鏡のサポートミッションに参加。ISS滞在は今回が初めて。
夫は昨年、SpaceX Crew Dragonの有人試験飛行(Demo-2)に搭乗したボブ・ベンケン。Crew-2では夫の乗った同じ機体(エンデバー)の同じ座席にパイロットとして座る。
星出彰彦
星出彰彦(ほしであきひこ)さんはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士。
1968年東京生まれ。2008年にスペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗し15日間のミッションに参加。2012年にソユーズに搭乗してISSに125日間滞在。
トマ・ペスケ
トマ・ペスケ(Thomas Pesquet)さんはESA(欧州宇宙機関)の宇宙飛行士。
1978年仏国ルーアン生まれ。2017年にソユーズに搭乗しISSに197日間滞在。
現在のISSの状況
ISSでは、昨年10月にソユーズで着任した3名:
セルゲイ・リジコフ(Roscosmos)
セルゲイ・クド-スべルチコフ(Roscosmos)
キャスリーン・ルビンズ(NASA)
が、4月17日に185日間の任務を終えて地球に帰還し、第64次長期滞在(Expedition 64)が終了しました。
ISSには現在、昨年11月にSpaceX Crew-1で着任した4名:
マイケル・ホプキンス(NASA)
ビクター・グローバー(NASA)
シャノン・ウォーカー(NASA)
野口聡一(JAXA)
と、今月(4月9日)ソユーズで着任したばかりの3名:
オレグ・ノヴィツキー(Roscosmos)
ピョートル・ドゥブロフ(Roscosmos)
マーク・ヴァンデ・ヘイ(NASA)
が滞在し、第65次長期滞在(Expedition 65)が開始されています。
野口さんらCrew-1の4名は、Crew-2の4名と交代で4月28日に地球に帰還する予定なので、野口さんと星出さんの滞在期間は4日ほどラップします。
ISSに2人の日本人宇宙飛行士が同時に滞在するのは、2010年の野口さんと山崎直子さんに次いで2回目となります。
星出さんは日本人として2人目のISS船長に
星出さんはISS滞在中に、日本人としては第39次の若田光一宇宙飛行士に次いで二人目となる、ISSの船長(Commander)を務めることが予定されています。
現在、ISS第65次長期滞在の船長は、Crew-1のシャノン・ウォーカー宇宙飛行士が務めています。彼女は第64次長期滞在のセルゲイ・リジコフ宇宙飛行士の後を継いで船長になったばかりですが、4月末に予定されている地球帰還時には星出さんに引き継ぐことになります。
ISS船長は、軌道上でのISSの運用全体について、滞在しているクルーを統括し、クルーとISSの安全に責任を持つ重要な役割。
そのため、クルー全体の作業予定と結果を含め、ISS 全体の状況を正確に把握し、地上の管制局と緊密な連絡と調整を行います。
また、クルー全員の健康、モチベーション、チームワークや良好なコミュニケーションの維持なども船長の重要な仕事です。
まとめ
今回のCrew-2で使用するSpaceX Crew Dragon宇宙船は、Demo-2で使われた機体の再利用であり、打ち上げに使うSpaceX Falconロケットも、Crew-1で使われた機体を再利用します。
再利用技術は宇宙探査コスト削減のキーであり、その意味でも注目されます。
打ち上げの様子は、NASAやJAXAのYoutubeチャンネルで生中継を見ることができます。
予定時刻は日本時間の19時11分という見やすい時間なので、是非スマホやパソコンで迫力ある打ち上げをリアルタイムで見ましょう。

今夜はダブルモニターでプロ野球とNASA-TVを並べて鑑賞だ!
それにしても、密閉された特殊な空間で、長期にわたり国籍や文化の違うメンバーを統括するISS船長の役割は、とんでもなくやっかいな仕事に思えますね。
着任したら、地上から星出船長を応援したいと思います。