東京都大田区に新しい「島」誕生!?「令和島」って何だ?

東京都大田区は、東京湾の中央防波堤埋立地のうち、大田区に編入される区域の町名を一般公募していましたが、このたび町名案(候補)を「令和島(れいわじま)」としたことをあきらかにしました。今後、議会の議決を経て正式決定されるとのこと。

大田区は筆者がかつて暮らしていたなじみ深い土地ですが、日本で初めて地名に「令和」の文字が入る場所はどんなところなのか調べてみました。

令和島となる中央防波堤埋立地ってどんなところ?

東京湾の中央防波堤埋立地は、北東部分に江東区若洲からの東京ゲートブリッジが架かり、北西部分には江東区青海からの海底トンネル、南西部分には大田区城南島からの海底トンネルがつながる、約989ヘクタールの広大な埋立地です。


埋立地は内側埋立地、外側埋立地、新海面処分場の3つの区域に分かれていて、内側埋立地に建設中の海の森には、東京オリンピック・パラリンピックの馬術クロスカントリーコース会場が仮設される予定です。

また、内側埋立地と外側埋立地の間の水路は、海の森水上競技場として整備されていて、東京オリンピック・パラリンピックのボート・カヌー競技の会場となる予定です。

外側埋立地の大田区寄りにはコンテナ埠頭、コンテナターミナルなど、大規模な物流関連施設が展開されています。

令和島はどこ?

大田区に編入されることが決まった場所は、中央防波堤埋立地の外側埋立地の大田区寄りの約104.2ヘクタールです。


つまり埋立地の一部が「令和島」という地名になるということで、「島」の名称ではないのですね。

実はこの中央防波堤埋立地は、長いこと帰属を巡って大田区と江東区が係争中でしたが、昨年10月に決着が付いたばかりでした。

中央防波堤埋立地の帰属問題とは?

中央防波堤埋立地は1972年に埋立が始まりましたが、当初から江東区、中央区、港区、品川区、大田区が帰属を主張していました。

のちに中央区、港区、品川区は主張を取り下げましたが、江東区と大田区はどちらも全島帰属を主張して譲らず、協議は平行線が続きました。

2017年には東京都の自治紛争処理委員による調停案(大田区13.8%、江東区86.2%)が勧告されましたが、大田区はこれを不服として受諾せず、東京地方裁判所へ提訴しました。

両区ともに歴史的経緯を帰属の主張理由のひとつにしていたのですが、大田区の主張はこんな感じです。

中央防波堤埋立地は、昭和38念まで続いた海苔養殖業が行われていた場所であり、港湾整備による漁業権放棄のため、生計を立てていた大田区民は廃業を余儀なくされ、周辺産業も大きな打撃を受けた歴史的な経緯がある。

「中央防波堤埋立地の大田区への全島帰属を求める決議」(大田区)より

つまり埋立地は元々大田区民の生業だった海苔の養殖場だったというわけです。

一方の江東区の主張はこんな感じ。

昭和に入り、江東区地先が次々とごみの埋立処分場として使用され、江東区は、東京23区のごみの終末処理をこれまで全て負ってきたと言っても過言ではありません。
14号地(夢の島)、15号地(若洲)におけるごみの埋立てにより、悪臭やハエの大量発生、1日に5、000台を超えるごみ運搬車による交通渋滞、ごみや汚汁の飛散などのごみ問題は、長年にわたり江東区民を苦しませてきました。
15号地(若洲)の次の終末処分場として、中央防波堤埋立地が計画され、これに対し江東区は、江東区地先以外の水面を提唱し、厳しく抵抗しましたが、大局的な見地に立ちやむを得ず同意しました。引き続き、終末処理に向かうごみ運搬車は、江東区を通過しなければならず、区民に多大な負担を強いることとなりました。

「中央防波堤埋立地の帰属について」(江東区)より

つまり江東区はごみの埋め立てに関する貢献を主張しているわけです。

2019年9月に東京地方裁判所の第一審判決(大田区20.7%、江東区79.3%)がでて、これを両区とも受け入れたため、実に47年にも及ぶ帰属問題の解決をみました。東京オリンピックがなかったらもっと長引いていたかも知れませんね。

ちなみに判決では両区の主張する歴史的経緯については、共に退けられた形になっています。けんか両成敗といったところでしょうか。それにしては江東区がかなり多いですが…

まとめ

ちなみに江東区側の地名も公募していましたが、結局「海の森」となるようです。「海の森」は既に同地域にある施設名として使われているので新鮮味はありませんが、筆者はとてもいい名前だと思います。

元大田区民としては「令和島」にもがんばって欲しいところですが、名称が話題にはなったものの、あくまで位置づけは物流拠点ですので、今後一般的に注目されることはあまりないかも知れません。それに比べて「海の森」の方は東京2020が控えていますので、今後の注目度大ですね。

大田区が目指すのは「国際都市おおた」ですから、「スポーツと人情が熱いまち」の江東区とは得意分野でうまく棲み分けられて良かったのではないでしょうか。筆者はもう都民でもありませんが、国民のひとりとしてそう思います。

新型コロナのおかげで東京2020は予断を許さない状況ですが、どちらの区もキープレーヤーなのは間違いありませんから、協力して東京を盛り上げていって欲しいと思います。

(参考リンク)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です