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NASAパーセベランスがまもなく火星到着!過去の火星着陸をおさらい

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米国の火星探査ローバー「パーセベランス」の火星到着が、いよいよ日本時間の明日朝に迫ってきました。

今回は過去の火星探査計画で、地表への着陸に成功したランダー(着陸機)及びローバー(探査車)についておさらいしてみました。

人類史上初めて火星探査機が着陸に成功したのはソ連ですが、着陸後に運用できているのはいまだに米国だけです。

(以下、本記事では特に断らない限り日時はUTC:世界協定時です)

マルス3号(ランダー/ソ連)

マルス3号(Mars 3)は、1971年5月28日に打ち上げられ、1971年12月2日に火星周回軌道に入り、1972年12月2日に周回軌道からランダーを切り離しました。

1,210kgのランダーは逆推進ロケットによりプトレマイオスクレーター(Ptolemaeus Crater)に着陸しましたが、直後に通信途絶してしまいました。探査機が火星に着陸にしたのはこれが初めてです。

バイキング1号(ランダー/米国)

バイキング1号(Viking 1)は、1975年8月20日に打ち上げられ、1976年6月19日に火星周回軌道に入り、1976年7月20日に周回軌道からランダーを切り離しました。

572kgのランダーは逆推進ロケットによりクリュセ平原(Chryse Planitia)に着陸し、運用を開始。着陸から6年3ヶ月経過後の1982年11月13日に通信途絶しました。

バイキング2号(ランダー/米国)

バイキング2号(Viking 2)は、1975年9月9日に打ち上げられ、1976年8月7日に火星周回軌道に入り、1976年9月3日に周回軌道からランダーを切り離しました。

572kgのランダーは逆推進ロケットによりユートピア平原(Utopia Planitia)に着陸し、運用を開始。着陸から3年7ヶ月経過後の1980年4月11日にバッテリー故障により運用停止しました。

マーズ・パスファインダー(ランダー・ローバー/米国)

マーズ・パスファインダー(Mars Pathfinder)は、1996年12月4日に打ち上げられ、1997年7月4日に火星のエリーズ渓谷(Ares Vallis)に着陸しました。

従来の逆推進ロケットによる着陸ではなく、ロケット噴射で減速したあと、最後はエアバッグを使って地表でバウンドさせるという独特の着陸方法を採用しました。

264kgのランダーは着陸後に通信中継基地となり、地上で分離した10.6kgの小さな六輪車ローバー、ソジャーナは、秒速1cmの速度で半径500m内を自律走行し探査を行いましたが、着陸から2ヶ月経過後の1997年9月27日に通信途絶しています。

ビーグル2号(ランダー/英国)

ビーグル2号(Beagle 2)は、ESA(欧州宇宙機関)のマーズ・エクスプレス(Mars Express)に搭載され2003年6月2日に打ち上げられ、2003年12月19日に火星面に向けて切り離されました。マーズ・エクスプレスは2003年12月25日に火星周回軌道に入っています。

ビーグル2号は、エアバッグ方式でイシディス平原(Isidis Planitia)に着陸する予定でしたが、通信ができず失敗とされました

2015年1月にNASAの探査機が周回軌道上から撮影した画像でビーグル2号が確認され、着陸に成功して太陽電池パネルの一部が展開されていたことが分かりました。しかし太陽電池パネルは完全に展開されないとアンテナが露出せずに通信できない設計でした。

スピリット(ローバー/米国)

スピリット(Spirit)、正式名称はマーズ・エクスプローション・ローバーAは、双子のオポチュニティと共に2003年6月10日打ち上げられ、2003年1月4日に火星のグセフクレーター(Gusev Crater)にエアバッグ方式で着陸しました。

185kgの六輪車ローバー、スピリットは、最高時速180m、平均時速36mです。地上を7.73km移動したところで、2009年5月1日に車輪が砂地に埋まり移動能力を喪失し、着陸から7年2ヶ月経過後の2010年3月22日に通信途絶しています。

オポチュニティ(ローバー/米国)

オポチュニティ(Oportunity)、正式名称はマーズ・エクスプローション・ローバーBは、双子のスピリットと共に2003年6月10日打ち上げられ、2003年1月4日に火星のメリディアニ高原(Meridiani Planum)にエアバッグ方式で着陸しました。

スピリットと同様、185kgの六輪車ローバー・オポチュニティは、これまでに地上を45.16km移動して探査を続け、着陸から15年6ヶ月経過後の2018年6月10日に通信途絶しています。45.16kmというのは、月面でのルノホート2号(ソ連)の記録(39km)を抜いて、地球外での走行距離の世界記録です。

フェニックス(ランダー/米国)

フェニックス(Phoenix)は、2007年8月4日に打ち上げられ、2008年5月25日に火星の北極地域の平原(Vastitas Borealis)に逆推進ロケットにより着陸しました。

350kgのフェニックスはロボットアームを持ち、地表を掘って水に関する調査を行い、着陸から5ヶ月経過後の2008年11月2日に通信途絶しました。

キュリオシティ(ローバー/米国)

キュリオシティ(Curiosity)は、2011年11月26日打ち上げられ、2012年8月6日に火星のゲールクレーター(Gale crater)に着陸しました。

スピリット/オポチュニティの5倍の質量があるキュリオシティはエアバッグ方式が使えず、最後に7.5mのケーブルでローバーを吊り下げて着地させるスカイクレーンと呼ぶ方式を初めて採用しました。

900kgの六輪車ローバー・キュリオシティは現在も運用中で、最高時速90m、平均時速30mで、2021年1月26日時点で地上を24.15kmを移動し探査を続けています。

インサイト(ランダー/米国)

インサイト(InSight)は、2018年5月5日に打ち上げられ、2018年11月26日に火星のエリシウム平原(Elysium Planitia)に逆推進ロケットにより着陸しました。

358kgのインサイトは、火星内部の熱特性を調査するための熱センサーや地震計などを備え、惑星の深部を研究するのが目的です。ミッションは一部を除いて2022年末まで延長され、現在も稼働中で、パーセベランスの到着も検知しようとしています。

パーセベランス(ローバー/米国)【予定】

パーセベランス(Perseverance)は、2020年7月30日に打ち上げられ、2021年2月18日20:30頃(日本時間の2021年2月19日5:30頃)、火星のジェゼロクレーター(Jezero Crater)に着陸する予定です。

1025kgとキュリオシティよりも14%重いパーセベランスは、キュリオシティと同じくスカイクレーン方式で着陸します。

ジェゼロクレーターは、古代に水が存在していたと考えられており、火星の生命の存在を確認できる可能性があると注目されている場所です。

今回のミッションの主目的は古代の生命の痕跡調査で、火星の岩石のコアサンプルを採取し、将来地球へ持ち帰るために保管する予定です。

また今回は、最適な運転ルートを見つけるための探査用ドローンヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」も装備されており、その成果も注目です。

まとめ

パーセベランスの火星着陸前後の様子は、NASA TVで生配信されますが、どのような内容になるのか分かりません。着陸後、パーセベランスのカメラからの映像がすぐに見られるとうれしいのですが…

www.nasa.gov

更に5月には、現在火星周回軌道に乗っている中国の天問1号からローバーが投下されます。計画通りに進めば、中国は米国に次いで二番目にローバーによる火星探査を成功させた国となります。

今後も火星探査の状況に注目しましょう。