sora’s おいしいノート

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平成元年の簡易生命表発表!人生100年時代に向けて平均寿命を更新

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平成元年の簡易生命表が公開され、男女ともに平均寿命の最高記録を更新したことが分かりました。

www.mhlw.go.jp

男性は81.41歳、女性は87.45歳となり、それぞれ前年に比べて0.16歳、0.13歳の伸びでした。

平均寿命の海外との比較

海外の平均寿命が公表されている国・地域と比べると、日本は男性は香港、スイスに次いで3位、女性は香港に次いで2位です。

但し各国とも算出方法や期間が異なるので、厳密な比較ではなく、あくまで参考です。

国・地域 男性
(歳)
女性
(歳)
人口
(千万人)
作成基礎
期間(年)
香港 ①82.34 ①88.13 0.75 2019
スイス ②81.7 ⑦85.4 0.85 2018
日本 ③81.41 ②87.45 12.37 2019
シンガポール ④81.4 ④85.7 0.56 2019
スウェーデン ⑤81.34 ⑩84.73 1.01 2019
ノルウェー ⑥81.19 ⑪84.68 0.53 2019
アイスランド ⑦81.0 ⑭84.1 0.04 2018
イタリア ⑧80.88 ⑧85.182 6.05 2018
スペイン ⑨80.87 ③86.22 4.67 2019
オーストラリア ⑩80.7 ⑨84.9 2.50 2016-8
韓国 ⑯79.7 ④85.7 5.16 2018
フランス ⑯79.7 ⑥85.6 6.48 2019

平均寿命の国際比較より

上位には比較的人口の少ない国が並んでおり、人口1億以上の日本は特異ですね。人口1億人以上の国では男女とも米国が日本に次いで2番目で、男性76.1歳、女性81.1歳となっています。

生命表について

生命表は、死亡状況が今後変化しないと仮定したときの、各年齢、性別の者の死亡率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを表したものです。

厚生労働省では、国勢調査を基に5年毎に作成する「完全生命表」と、人口推計や人口動態統計を基に毎年作成する「簡易生命表」を公開しています。

ちなみにこれとは別に、保険会社の被保険者集団の死亡統計などに基づいて作成された「標準生命表」というのもあります。

「標準生命表」は金融庁から業務を委託されている日本アクチュアリー協会が作成し公開しており、保険会社の責任準備金や保険料の算定に利用されているものです。

平均寿命の意味

一般的に言われる「平均寿命」とは、その年に生まれた0歳児の平均余命のことです。

但し、上でも書いた通り、死亡状況が今後変化しないと仮定したときの期待値ですので、実際には多くの人が生まれた年の平均寿命よりも長く生きます。

何故なら生活環境、食事環境の改善や医療技術の向上により、年々死亡率が下がる傾向にあるからです。

実際、筆者の生まれた年、65年前の0歳男性の平均余命は63.41歳でした。つまり筆者は当時の平均寿命をとっくに過ぎています。筆者の周りの同級生を見ても、まだほとんどがピンピンしています。

今回発表された簡易生命表の0歳男性の平均余命は81.41歳なので、65年で18歳寿命が延びたことになります。

今後も同じような率で寿命が延びるかどうか分かりませんが、実際には最近生まれた人の半数以上は100歳を超えるだろうと言われています。

人生100年時代

政府は2017年9月に、安部総理大臣を議長とする「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、2018年6月まで、9回にわたって会議を開催し、「人づくり革命 基本構想」を取りまとめました。

この会議の主旨は、

人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現するための政策グランドデザインに係る検討を行うため 人生100年時代構想会議の開催について/首相官邸

ということで、関係大臣と有識者を集めて議論しているのですが、その中の有識者の委員として、英国ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授を呼んで、キックオフのプレゼンテーションをお願いしています。

リンダ・グラットン氏は「LIFE SHIFT」の著者(アンドリュー・スコット氏との共著)として知られている人材論、組織論の世界的権威です。

「LIFE SHIFT」というのは、副題が「100年時代の人生戦略」、原題が「THE 100-YEAR LIFE - Living and Working in an Age of Longevity」ということで分かる通り、まさに人生100年時代をどう生き、どう働くべきかについて提言している本で、この会議を開くきっかけになった本と言えます。

LIFE SHIFTの提案

旧来の人生は、3つのステージに分けて考えられていました。

①教育のステージ(生まれてから20年前後)
②仕事のステージ(教育を終えて40年前後)
③引退のステージ(余生)

しかし、人生が100年になると、40年前後の余生を送る資金が確保できなくなるのは明らかです。

3ステージの考えのまま、20代迄に受けた教育だけで60年、70年と仕事のステージを続けたのでは生産性が保てなくなります。もちろん仕事のモチベーションを保つのも困難でしょう。

そこで「LIFE SHIFT」では、3ステージの人生に代わってマルチステージの人生を提案しています。

すなわち、人生において教育のステージ、仕事のステージを複数回持つことで、生涯で複数のキャリアをもつような人生を目指すということです。

そんな人生を実現するためには、教育のあり方や雇用のあり方など、社会制度そのものの変革が求められます。

「人生100年時代構想会議」の報告においても、「リカレント教育(社会人再教育)」と「高齢者雇用の促進」について提言しており、その後の政府の政策に反映されています。

まとめ

新型コロナウイルス感染症が、生命表にどのくらい影響を与えるのかまだ分かりませんが、今のところ日本では影響が少なそうです。

既に高齢化社会に突入している日本は、世界に先駆けて、人生百年時代に向けた社会の変革を待ったなしで進める必要があります。

筆者も会社員は一旦卒業しましたが、働き手としてはまだまだ現役のつもりなので、何らかの形で社会に関わっていきたいと思っています。