sora’s おいしいノート

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Go To Travel キャンペーンとマイクロツーリズムの考え方

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残念ながら今朝予定されていたUAEの火星探査機「HOPE」の打ち上げは天候のため延期となりましたが、アラブの期待が集まる大事な打ち上げなので、万全を期して望みましょう。

ところで、Go To Travel キャンペーンを2020年7月22日から開始するという国土交通省の発表に関して批判が集中していますね。

新型コロナウイルス感染症の第2波が懸念されている状況でのキャンペーン開始について、口の悪い人は「Go To 感染」とか「Go To Hell」とか言っているようです。

確かに再び感染者が増え始めている首都圏から地方へのウイルスの拡散を助長するような施策だとしたら、どうかと思います。

しかし、再び日本全体を、以前のような自粛モードに移行させるべきかというと、それは違うように思います。

新型コロナウイルス感染症との向き合い方

特効薬もワクチンもない状態で感染症と向き合うには、まずは自分が感染しないように気を付け、その上で自分が感染している可能性を考えて他に感染させないようにするという個人の感染対策が基本だと思います。

それができるかできないかで国や地域の感染状況が大きく左右されると思います。

ただ、その対処方法が個人に浸透していない段階では、ロックダウンとかステイホームが最も効果的な施策でしょう。

しかし、いつまでもステイホームを続けていては経済が立ちゆかなくなり、社会が崩壊してしまうのは明らか。空気が汚れているからと言って呼吸しなければ窒息してしまいます。

従って一旦落ち着いたら、社会全体に「新しい生活様式」に代表されるような感染対策の定着を図りつつ、経済活動を徐々に復活させていくのは当然だと思います。

その過程で、感染対策が不十分な部分に感染の拡がりが現れることは、ある程度想定内でしょう。

そしてその対策としては、まずはその部分に感染対策を徹底させること。

既に日本の社会は経済的に大きく毀損されています。今大事なことは、過度に感染を恐れて、再び自粛の殻に閉じこもることではなく、感染対策の定着を図りつつ、経済活動を元に戻していくことだと思います。

感染対策を徹底しているにもかかわらず、感染が発生してしまう可能性は一定の割合であると思いますが、皆が決められた感染対策を守っていれば、ある程度制御可能な範囲に抑えることが期待できるのではないでしょうか。

もちろん、感染拡大が制御可能な範囲を超え、医療崩壊の危険が迫る地域がでてくれば、その地域に対して再び非常事態宣言を発令するとともに、感染対策を一段引き上げざるを得ないと思います。

Go To Travel キャンペーン

Go To Travel キャンペーンは、官民一体型の消費喚起キャンペーンである「Go To キャンペーン事業」のひとつで、旅行業界を対象としたものです。

キャンペーン期間中に旅行業者等を経由して旅行商品を購入した消費者に、購入代金の35%の割引および15%相当の地域共通クーポン券(合わせて1泊当たりひとり最大2万円分)が付与されます。(但し地域共通クーポン券の発行は9月以降となり、それまでは35%割引のみ)

Go To Travel キャンペーンは、特に傷の大きい観光業界を支援する施策として有効だと思いますが、一方で感染を広げる一因になってしまうことは避けねばなりません。

そのためには、観光業界を挙げて感染対策を徹底するのは当然として、感染が再び活発になっている地域の人に対しては、地域外への旅行を制限するなど、全国一律ではなく、地域の感染状況に合わせた対策を考えるべきだと思います。

少しでも安心して旅行できるようにしないと、キャンペーンの実効性が保てないように思います。

新しい旅のエチケット

旅行関係の業界団体で構成する旅行連絡会が観光庁と協力して「新しい旅のエチケット」という旅行者向けの感染対策ガイドを作成しています。

新しい旅のエチケット
  • 旅先の状況確認、忘れずに。
  • マスク着け、私も安心、周りも安心。
  • 楽しくも、車内のおしゃべり、控えめに。
  • 旅ゆけば、何はともあれ、手洗い・消毒。
  • 混んでたら、今はやめて、後からゆっくり。
  • 握手より、笑顔で会釈の旅美人。
  • おしゃべりをほどほどにして、味わうグルメ。
  • 間あけ、ゆったり並べば、気持ちもゆったり。
  • こまめに換気、フレッシュ外気は旅のごちそう。
  • 毎朝の健康チェックは、おしゃれな旅の身だしなみ。
  • おみやげは、あれこれ触らず目で選ぼう。
新しい旅のエチケットリーフレット

旅先と言えども、普段の「新しい生活様式」が身についていれば、特に変わったことをしなければならない訳ではありません。

但し、仕事や買い物に行くのと違い、旅行の予定を途中で変更するにはそれなりの手間やキャンセル料などが必要になってきます。

体調が悪くなったら、いつでも予定を変更できるような準備と覚悟がなければ、旅行を計画するべきではないでしょう。

マイクロツーリズムという考え方

色々考えると、まずは星野リゾートの星野佳路代表が提唱する「マイクロツーリズム」のように、近場で楽しむことから始めるのがいいかも知れません。

マイクロツーリズムとは
遠方や海外への旅行に対し、3密を避けながら地元の方が近場で過ごす旅のスタイル。
自宅から30分~1時間程の距離で、安心、安全に過ごしながら地域の魅力を深く知るきっかけになり、地域経済にも貢献します。
保養目的で旅館やホテルに行き、温泉や自然散策、料理を楽しみ、活力を取り戻す滞在旅行です。 星野リゾート

庶民の筆者にとっては、星野リゾートというと憧れの対象ですが、もともと地元との結びつきを大事にする星野さんらしいこのアイデアに共感しました。

既に一部の地方公共団体などでは、地域内を対象とした独自の観光需要喚起キャンペーンを始めているところもあります。

観光業界にとっても、この機会に地域の埋もれた観光資源に光を当て、掘り起こすことは、全国的な観光需要が復活したときにも、地域の大事な財産になります。

観光庁が進める観光地域づくり法人(DMO:Destination Management Organization)の形成・確立もこの流れに沿っていると思いますが、はじめから地域へのインバウンドを狙わず、最初はマイクロツーリズムに焦点を当ててはどうでしょうか。

新型コロナウイルス感染症と共存しながら旅行業界の元気を取り戻す方策のひとつとして、マイクロツーリズムは有効な考え方だと思います。

まとめ

地域のいいところを紹介するブロガーの皆さんは、マイクロツーリズムと相性がいいかも知れませんね。

幸い、Go To Travel キャンペーンは日帰りツアーも対象にしていますので、近場のバス旅行なんかもいいかも知れません。

但し残念ながら、持ち込みテントのキャンプ場やマイカー/レンタカー代は対象にならないようです。3密も避けられるし、感染リスクの低い車移動や野外キャンプについても、ぜひキャンペーンの対象にして欲しいと思います。

なお、航空業界はまだ厳しい時期が続くかも知れませんが、国内の感染が落ち着いている地域同士を結ぶ旅の提案をするなど、アイデアを絞ってなんとか乗り切って欲しいです。

筆者の住む横浜は最近また感染者が増え始めていますので、暫くはおとなしくしていようと思いますが…

いずれにしても、一刻も早く、新型コロナウイルス感染症が終息することを願うばかりです。