「ベストキッド」というアメリカ映画は、随分昔に見た好きな映画のひとつです。
空手チャンピオンの不良にいじめられていた少年が、日本の老人に空手を教わり、空手の大会で不良連中をやっつける、みたいな話ですね。
最近、netflixで配信されている海外ドラマの「コブラ会」は、この「ベストキッド」の続編ドラマです。
「コブラ会」は、netflixでシーズン3が今年公開されたばかりですが、シーズン1とシーズン2はYouTube(プレミアム)でも視聴することができるようです。
なお、本記事ではシリーズの大枠に触れています。ネタバレを望まない方は読むのをお控え下さい。
かつての敵役「コブラ会」の復興
「ベストキッド」は1984年の作品ですが、「コブラ会」はその34年後から始まります。
面白いのは「ベストキッド」に出演していた役者が、34年後もそのままの役で出演しているところ。
ラルフ・マッチオが演じていたダニエル少年は、今やカーディーラーの経営者として成功しています。
一方、ウィリアム・ザブカが演じていた不良の空手チャンピオンだったジョニーは、その後も何をやってもうまくいかないまま酒に溺れる暮らしで、いまだにダニエルのことを恨んでいます。
「コブラ会」というのは、かつてジョニーが所属していた空手道場の名前ですが、近所に引っ越してきた少年ミゲルをジョニーが助けたことから空手を教え始め、「コブラ会」を復興させようとします。
かつてのイメージから、「コブラ会」の復活をよく思わないダニエルは、ディーラーで働く少年ロビーに、師匠であるミヤギ老人の精神と技を引き継ぐ「ミヤギ道空手」を教え始めますが、彼は実はジョニーの息子で…という具合に話が展開していきます。
ミヤギ老人役のノリユキ・パット・モリタは既に亡くなっているので回想シーンでしか出てきませんが、「ベストキッド」を見たことのある人にはたまらないストーリーです。
特に「ベストキッド」では敵役だったジョニーが空手の先生になり、いじめられる側の少年少女たちに空手で自信を持たせるていくくだりは、「ベストキッド」と同じ構造とは言え興味深いです。
「コブラ会」シーズン1ではダニエルの方が悪役に思えるくらい、ジョニーを応援してしまいます。
再び敵役になる「コブラ会」
見ている方はどっちを応援したらいいのか分からなくなってきたシーズン1の最後で、真の悪役とも言うべき旧コブラ会創始者のクリースが登場します。
もちろんクリース役のマーティン・コーヴも引き続き演じていますが、34年を経てもほとんど印象が変わらないのには驚きます。
「コブラ会」シーズン2では、本格的に始動したダニエル率いる「ミヤギ道空手」対「コブラ会」の争いが中心になりますが、次第にクリースに毒され暴力的になっていく「コブラ会」に危機感を覚え、ジョニーはクリースと決別することを決意します。
シーズン2を通して、ダニエル、ジョニー対クリースという対立軸が次第に形作られていくことになります。
「コブラ会」シーズン3は「ベストキッド2」を見てから…
さて、「コブラ会」シーズン3では、ダニエルがミヤギ老人の故郷である沖縄を訪問しますが、実は「ベストキッド」の続編「ベストキッド2」と深い関わりがある内容になっていますので、「ベストキッド2」を見ていない方は是非先に見ておくことをお勧めします。
筆者は記憶が怪しかったので「ベストキッド2」をもう一度見ました。当時の沖縄の描き方を始めあまり褒めるような内容の映画ではありませんが、ミヤギ老人の不思議な魅力は不滅です。
「コブラ会」シーズン3では、「ベストキッド2」に出ていたヒロインと敵役の役者がそのままの役で出てきますので、その意味でも楽しめます。
「コブラ会」シーズン3は、更に「ベストキッド」のヒロインとの再会があるなど、次々と楽しませてくれます。
シーズン3の最後では、クリースに対抗してついにダニエルとジョニーが手を組むことになります。
「ベストキッド3」と「ベストキッド4」について
「ベストキッド」は4まで制作されていますが、筆者はまだ3と4は見ていません。
「ベストキッド3」は旧コブラ会創始者のクリースと彼のベトナム戦争の戦友シルバー対ミヤギ老人とダニエルとの争い、「ベストキッド4」ではミヤギ老人がダニエルの代わりに女子高生ジュリーを指導するという話のようです。
「コブラ会」シーズン3の最後は、クリースが戦友と思われる人物に電話を掛けるシーンで終わりますが、シーズン4では「ベストキッド3」のシルバー登場となるのかも知れません。今後どのように絡んでくるのか分かりませんが、今のうちに「ベストキッド」の3と4も見ておこうかなと思っているところです。
最後にひとこと!
とても面白い「コブラ会」ですが、最後にこれだけは言っておきたい。
飲んだら乗るな!飲むなら乗るな!