日曜日の北海道からのISTのロケット打ち上げがトラブルで中止・延期になっていただけに、昨日の種子島宇宙センターからのH-IIA42号機打ち上げには痺れました。
世界中が注目するUAEの火星探査機「HOPE」を搭載していただけに責任重大でしたが、成功して良かった。GOOD JOBでした。
ところで本日7月21日は、半世紀以上前に、アポロ11号のアームストロング船長とオルドリン宇宙飛行士が、人類で初めて月面に足を踏み入れた日です。
このときの映像はNHKで衛星生中継(日本時間21日11時56分)され、筆者も見ていた記憶があります。
筆者はまだ中学生でしたが、多分夏休みに入っていたので、生中継を見ていたと思います。
さすがに51年も経つと記憶が怪しくなっているので、この宇宙開発の歴史上最大の偉業を、もう一度振り返ってみました。
1969年の月探索ミッション(アポロ11号)
7/16 打ち上げ、地球周回軌道から月へ
アポロ11号はアームストロング船長、コリンズ宇宙飛行士、オルドリン宇宙飛行士の3名を乗せ、1969年7月16日13:32(UTC)にフロリダのケネディ宇宙センターからサターンVロケットにより打ち上げられ、発射の12分後に地球周回軌道に入りました。
ちなみにケネディ宇宙センターとケープ・カナベラル空軍基地は隣接しており、現在、有人宇宙飛行は主にケネディ宇宙センターから打ち上げられるようです。
地球を一周半したアポロ11号は、16:22、第三段ロケットに点火し、月へ向かいました。
第三段ロケットは役目を終え、切り離された後、太陽周回軌道に入ったようです。今でも太陽の周りを公転しているのではないでしょうか。
7/19 月周回軌道へ
7月19日17:21(UTC)、アポロ11号は月の裏側を通過したところで推進エンジンに点火し、月周回軌道に入りました。
地球から月まで3日掛かったことになりますね。
7/20 月周回軌道から月面へ
7月20日17:44(UTC)、月周回軌道上の司令船「コロンビア」にコリンズ操縦士を残し、アームストロング船長とオルドリン操縦士の乗った月着陸船「イーグル」が月面への降下を開始し、20:17に着陸しました。
7/21 月面探索ののち再び月周回軌道へ
着陸から6時間半後の7月21日2:56(UTC)、アームストロング船長は人類で初めて月面へ足を踏み入れました。
予定されていた月面での船外活動を終えると、7月21日17:54(UTC)、月着陸船はエンジンを点火して離陸し、21:35には月周回軌道上の司令船「コロンビア」とドッキングしました。
司令船に残っていたコリンズ宇宙飛行士は、この間、まる1日以上を月周回軌道上にひとりぼっちでいたことになります。
7/22 月周回軌道から地球へ
7月22日4:56(UTC)にアポロ11号は推進エンジンを噴射して月周回軌道を離れ、地球への帰路につきました。
7/24 帰還
そして7月24日16:51(UTC)、アポロ11号は北太平洋に着水し、無事帰還を果たしました。
アポロ計画の全体像
ミッション | 打上げ日 | 乗員 | 内容 |
---|---|---|---|
AS-201 | 1966/2/26 | 無人 | 準軌道 |
AS-203 | 1966/7/5 | 無人 | 地球周回軌道 |
AS-202 | 1966/8/25 | 無人 | 準軌道 |
AS-204/ アポロ1号 |
1967/1/27 | 3名 | 発射台上での火災事故のため 3名の宇宙飛行士が死亡 |
アポロ4号 | 1967/11/9 | 無人 | 地球周回軌道 |
アポロ5号 | 1968/1/22 | 無人 | 地球周回軌道 |
アポロ6号 | 1968/4/4 | 無人 | 地球周回軌道 |
アポロ7号 | 1968/10/11 | 3名 | 地球周回軌道 |
アポロ8号 | 1968/12/21 | 3名 | 月周回軌道 |
アポロ9号 | 1969/3/3 | 3名 | 地球周回軌道 |
アポロ10号 | 1969/5/18 | 3名 | 月周回軌道 |
アポロ11号 | 1969/7/16 | 3名 | 月面着陸 |
アポロ12号 | 1969/11/14 | 3名 | 月面着陸 |
アポロ13号 | 1970/4/11 | 3名 | 事故により月面着陸は断念 |
アポロ14号 | 1971/1/31 | 3名 | 月面着陸 |
アポロ15号 | 1971/7/26 | 3名 | 月面着陸 |
アポロ16号 | 1972/4/16 | 3名 | 月面着陸 |
アポロ17号 | 1972/12/7 | 3名 | 月面着陸 |
アポロ18~20号 | - | - | 予算削減で中止 |
アポロ計画の初期にも3名の宇宙飛行士が犠牲になっています。
そしてNASAは合計12名の宇宙飛行士(内ひとりは科学者)を月面に送り込んでいたのですね。
アルテミス計画から火星への道
アポロ計画から半世紀を隔て、現在進行中のアルテミス計画では、2024年を目標に人類を再び月に降り立たせる予定です。
そしてそれは、次なる人類の目的地、火星への礎を築くためでもあります。
NASAの火星探査計画としては、来週7月30日から8月15日の間で、無人の火星探査ローバー「パーセベランス」を乗せたロケットが打ち上げられる予定です。
約半年に及ぶ宇宙旅行を経て、火星に着陸するのは2021年2月を予定しています。
まとめ
いや、火星は遠いですね!
往復するだけで1年以上かかる火星への旅は、宇宙飛行士と言えどもかなりの覚悟が要りそうです。
それを考えると、一週間あれば十分往復できる月は、とても近い存在なんですね。
そんなに近いところにあるフロンティアが、半世紀以上放ってあったというのは不思議な気もしますが、それだけアポロ計画が、簡単に真似できないほど凄かったという証左でもあると思います。