もはや昔のことのように感じますが、ダイヤモンドプリンセス号での新型コロナウイルス集団感染が発生してから3ヶ月が経ちました。
そのダイヤモンドプリンセス号の船内の汚染状況について、国立感染症研究所のサイトに調査報告の要約が掲載されていました。
この調査は、船内の共有部分97箇所、乗員乗客の部屋49室490箇所、空気7部屋14箇所について、環境表面から検体を採取し、新型コロナウイルスRNAが検出されるかどうかを調べたものです。
乗客乗員の退出から検体採取までの日数は最長17日ということなので、下船が終わり室内を消毒する前に検体を採取したものと思われます。
その調査結果は、
・有症状患者がいた19部屋のうち10部屋、無症状患者しかいなかった13部屋のうち10部屋で検出された(各部屋のトイレ周辺、机、電話機、TVリモコン等からよく検出された)
・患者のいなかった部屋からは検出されなかった
・空気からは検出されなかった
・共有部分では廊下天井排気口の1箇所で検出
ということでした。
これらの結果から分かることは、
症状の有無にかかわらず、患者周辺のモノや床は汚染されている
廊下天井排気口から検出されたことから、ウイルスが遠方まで浮遊する可能性がある
ということでしょうか。
このウイルスは人から人への感染により広がるのは間違いないでしょうが、感染者の周辺の「モノ」や「床」もウイルスで汚染されているということが、改めて確認できました。
それから、吸気口ではなく排気口からもウイルスが検出されたということは、船内の空気を循環させていたということなのでしょうか…船の構造が分からないのでなんとも言えませんが、やはり外気との換気が大事ということになりそうです。
実は「新しい生活様式」にはほとんど触れられていませんが、「モノ」や「床」からの感染リスクについても、より意識した方がいいのかも知れません。
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さて、今日の横浜の気温は30度まで上昇するとか。これから暑い季節を迎え、マスク着用が辛くなりそうですね。
このウイルスも暑さが苦手なことを祈ります。