sora’s おいしいノート

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映画「転々」

見たいと思っていた三木聡監督の映画「転々」のDVDをようやく借りてきて見た。以前読んだ藤田宜永の同名小説の映画化作品だ。
但し、物語りの背景と設定は同じものの、ちりばめられたエピソードはほとんど独自のものだ。映画と小説で共通する登場人物は、主人公文哉(オダギリジョー)と福原(三浦友和)、それに福原の偽装妻の麻紀子(小泉今日子)くらいか。なんといっても小説では大きな役割を演じる、文哉が思いを寄せる美鈴が出てこないので、中盤の柱となるエピソードが全く違っているし、小説の最後で明かされる真実も、映画では影も形もなかった。
逆にほのぼのとした家族の暖かさみたいなものを中心に据えていて、小説を読み終えたときのような何とも言えない後味の苦さはみじんもない。
また、福原役の三浦友和は、小説のイメージとぴったり重なっていて、とてもいい味を出している。
軟弱なハッピーエンド好きの私としては映画の方が好きかな。